体調が悪い時やケガをしてしまったとき、バンクーバーでどうやって治療すればいいのか、不安になったことはありませんか？一般的には「クリニックで診察を受ける」か「ドラックストアで薬を購入する」のどちらかです。
今回は緊急のときに備えて、病院の探し方やカナダの市販薬についてご紹介します。
目次
カナダの医療制度
カナダの医療制度は公的医療保険に加入していると、自己負担することなく病院で診察を受けることができます。
BC州では「MSP」という公的医療保険があり、カナダの市民権や永住権を持っている人だけではなくワーホリや学生も加入が可能です。
カナダの病院は日本とは異なり、大きく分けて3つあります。
ファミリー・ドクター
ファミリー・ドクターは、日本でいう「かかりつけ医」です。突発的な症状の診察や治療はもちろん、予防医療や健康管理のためのケアやアドバイス提供もしてくれます。
ウォークイン・クリニック
現在カナダでは医師不足により、ファミリー・ドクターを見つけることが非常に困難です。
そこで使えるのがウォークイン・クリニックです。ウォークインクリニックとは、軽度の病気や怪我、予防医療などの診察を受けることができる、手軽で便利な方法です。かかりつけの医師がいない場合でも診療を受けることができます。
カナダの病院は基本的に予約が必要です。しかしウォークイン・クリニックでは、予約なしで診察が受けられる施設もあります。
また現在はコロナの影響もあり、対面ではなくオンラインや電話診をメインとしている病院もあります。
専門医
専門医を受診するには、ファミリー・ドクターやウォークイン・クリニックからの紹介が必要です。一次診察で病気の診断と適切な専門医を紹介してもらい、紹介状をもとに専門医の診察を受けます。
日本の医療制度とは異なり、1回目の診察で「耳鼻科・消化器科・皮膚科」のように専門医のもとで診察することは基本できません。
エマージェンシー
エマージェンシーは総合病院の救急医療です。基本的な応急処置から複雑な専門的治療まで、幅広い医療サービスを提供しています。
ファミリー・ドクターやウォークイン・クリニックと異なり予約は全く不要ですが、他の患者との緊急度の差や時間帯によっては5時間以上待たなければならない場合もあります。
またエマージェンシーに行くべきかどうか判断がつかない場合は「811」に電話することで、専門家や看護師からのアドバイスをもらえます。（365日24時間対応）
バンクーバーで病院を探すのに便利なサイト
留学生がバンクーバーで適切な病院を探すのは非常に難しいことです。
今回紹介するサイトでは、バンクーバーにある病院の住所・連絡先・各病院で受けられるサービスなどの情報を見つけることができます。また、救急医療やその他の医療サービスに関する情報も掲載されています。
Medimap
URL: https://medimap.ca/
今から診察可能な病院を検索できるサイトです。ウォークイン・クリニックだけではなくメンタルヘルスやマッサージセラピークリニック等も探すことができます。
待ち時間や予約可否が一覧で見られます。
Emergency Department Wait Times
URL: http://www.edwaittimes.ca/WaitTimes.aspx
エマージェンシーの病院の受け入れ可否や待ち時間が見られるサイトです。
できるだけ短い待ち時間で診察してもらえる病院を探すことができます。
MSPとは？
MSPとは、Medical Services Planの略です。MSPはBC州の人々に医療・歯科・その他のヘルスケアサービスを提供する公的な組織です。BC州では6ヶ月以上滞在する留学生には、MSPの加入が義務付けられています。
ただし加入後すぐに保険が適用される訳ではありません、加入申請後、約2ヶ月の待機期間があります。この待機期間が終了し、MSPの保険が始まるまで、留学生は民間の保険に加入する必要があります。
加入対象者
MSPに加入できる人は以下の通りです。
- カナダの市民権・永住権を持っている人
- カナダの先住民
- カナダの短期滞在ビザの人（6か月以上）
- ワーホリや学生ビザは加入可能ですが、観光ビザの場合は加入できません。
保険料
MSPの保険料は以下の通りです。
- カナダの市民権・永住権を持っている人：無料
- カナダの先住民：無料
- 短期滞在ビザの人：月額＄75
カナダでの薬について
すべての薬は、2つのカテゴリーに分けられます。
- 医師の処方箋が必要な処方薬
- 処方箋を必要としない市販薬（OTC – Over The Counter Medications）
処方薬
処方薬は一般的に市販薬（OTC）よりも強力で高い効果を持つ一方、深刻な副作用が出る可能性があります。そのためこれらの薬は、医師の指示のもと販売されています。日本の処方と同様に、医師が処方箋に書き、薬剤師がダブルチェックし、包装・販売します。また薬剤師と薬の使用方法や飲み合わせについての相談も可能です。
また、できれば処方を受け取る薬局は1か所にする方がよいとされています。1か所にまとめることで、薬剤師は薬の相互作用について確認ができ、必要であれば医師に連絡することもできます。さらにこれは、処方薬だけでなく、一般用医薬品にも適用されます。
薬について質問や不明点がある場合は、HealthLink BCで相談もできます。https://www.healthlinkbc.ca/
市販薬
「病院に行くほどではないけれど体調が悪い」場合は、市販薬を使用することもあるでしょう。カナダのドラッグストアでは、薬剤師に薬の選び方について相談ができます。自分の症状に合った適切な薬や対処法についてのアドバイスしてもらえます。
カナダの市販薬は日本のものよりも強い場合があるので、専門家に相談するのがよいでしょう。また市販薬を服用する前は、必ずラベルを読み、用法用量を守ることを忘れないでください。
まとめ
今回は、バンクーバーの病院の種類や探し方、薬の違いについて説明しました。
バンクーバーでよい医療を受けるには、地域の医療制度を理解し、自分のニーズに合った病院や医師をリサーチすることが大切です。この記事で紹介したことを参考に、カナダでの緊急事態に備えましょう。